ワンポイントアドバイス

普段接しているペットについてのアドバイスです。

尾崎 敬承(おざきたかつぐ)

PROFILE
尾崎 敬承
(おざきたかつぐ)
専門学校ちば愛犬動物学園 講師(イヌとネコの行動学、イヌの心理学を担当)。
各地でのセミナーや公演活動のほか、今日まで20年間以上、社団法人日本愛玩動物協会の通信教育・スクーリングの講師をつとめている。

ワンポイントアドバイス一覧

  • Q01.イヌの歯もきちんとケアしなければ、悪くなる
  • Q02.イヌやネコは虫歯になりにくいって本当?
  • Q03.イヌは食べ物を咀嚼して食べない(丸呑みする)
  • Q04.子イヌや若イヌがよくものを噛むのは?
  • Q05.まず噛んでよいおもちゃはどれか、を教える。
  • Q06.同じおもちゃを5個、10個、用意する。
  • Q07.大事なもの(食べ物やおもちゃ)をイヌが守ろうとする
よくあるご質問01
Q01.イヌの歯もきちんとケアしなければ、悪くなる

イヌの歯も人間と同じで、まず乳歯が生え、永久歯に生え変わる二世歯生です。ただし、ほ乳類の基本形とされる44本よ り2本少なく(上顎の親知らず・第三臼歯がない)、42本(乳歯は32本)です。ちなみにネコは30本(乳歯は26本)、ヒトは32本(乳歯20本)がふつうです。生えたばかりのイヌの歯は白くてとてもきれいです。しかし、手入れをしないでおくと、2〜3歳ごろから、次第に歯や歯肉にも歯垢が目立ちはじめ、歯石もついてきます。
歯垢とは、食べかすや細菌・唾液が沈殿したもので、柔らかく明るい色をしています。これが唾液中のミネラルなどによって硬化してくれば、歯石となります。

イヌの歯もきちんとケアしなければ、悪くなる

動物病院の先生によると、飼いイヌの場合の歯垢や歯石は、まずもっとも大きな裂肉歯(上顎の第四前臼歯と下顎の第一後臼歯)や犬歯などにつきやすいようです。これらをそのまま放置しておくと、やがて歯茎に炎症を起こして歯肉炎になります。これがさらに歯周病へと進み、口臭もするようになります。そしてさらに歯槽膿漏となり、歯もぐらつき、ついには抜けてしまいます。歯が抜けてしまっても、飼い主が毎日の食餌内容に気を配ってやれば、生きていくことはできますが、もう二度と美味しい骨や固いものを噛んだりかじったりする(イヌの楽しみの一つ)ことはできなくなります。 歯周病は、飼いイヌにもっとも多い一般的な疾病の一つです。歯のケアが必要なのは、人間だけでなく、まったくイヌの場合も同じです。

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よくあるご質問02
Q02.イヌやネコは虫歯になりにくいって本当?

イヌやネコは虫歯になりにくいって本当?

本当です。とくにネコの虫歯は、臨床獣医師の先生でさえ、一生のうち、一度も診たことがない、と言うほどです。
理由は歯や歯並びの形態も関与しているようですが、もっとも決定的な要因は、どうも唾液の性状のあるようです。
歯学の世界では、歯の表面の琺瑯質(エナメル質)は、pHが5.5以下の酸性になると、溶け出し、いわゆる虫歯になることがよく知られています。
ヒトの唾液のpHは6.8とほぼ中性です。しかし、甘いものを食べると、砂糖の働きで唾液のpHが酸性になり、歯を溶かし出します。

ところが、イヌやネコの唾液のpHは、ともに8.2くらいのアルカリ性で、かりに甘いものを食べて口内で部分的に酸ができても、すぐに中和されてしまい、虫歯にいたることはまずない、というわけです。
またネコには、甘味に対する感受性がほとんどないことがわかっているので、甘いものが好きなネコというのはほとんどいません。したがって、こうした味覚の観点からもネコに虫歯がないのもうなずけます。
イヌの中で甘いものが大好きなイヌの場合(イヌには甘味を感じる味蕾はある)、虫歯になっているイヌもたまにはいるようです。とはいえ、歯のケアを怠ると、歯垢や歯石がついて歯肉炎を起こし、それから歯周病になり、さらに歯槽膿漏へと進み、やがて歯がぐらついて抜けてくるのは、ヒトの場合と同じです。
歯が私たち人間の健康にとってきわめて重要なように、イヌの健康にとっても重要です。日頃から十分なケアを心がけましょう。(この項の参考文献:『ねこが虫歯にならないわけ』1995年五月書房刊)

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よくあるご質問03
Q03.イヌは食べ物を咀嚼して食べない(丸呑みする)

イヌは、私たち人間のようによく噛んで咀嚼するような食べ方はしません。アッという間に飲み込んでしまいます。飼い主からすれば、せっかく大好きな食べ物を買ってきて与えたのに、もっと味わって食べてほしい、とちょっとがっかりすることもしばしばです。
雑食性の人間や牛や馬などの草食性の奥歯(臼歯)は、噛む面の山や谷が複雑で、上下のアゴを横にずらすと、食べ物がちょうど臼でひかれたように、細かくかみつぶすことができます。ところが、イヌの食性は肉類から草までと食域が広く、融通性がありますが、もともと肉食性の動物ですから、歯の形態やアゴの構造がヒトとは違います。

イヌは食べ物を咀嚼して食べない(丸呑みする)

ヒトの場合、下アゴは上下だけでなく、左右にも動かすことができます。したがって、食べ物をかみつぶす咀嚼運動ができますが、イヌの場合(その他の肉食獣のアゴの関節も同じ)はカスタネット運動、つまり上下にしか動かすことができなので、咀嚼したり、歯ぎしりしたりすることはできないのです。
もっとも、咀嚼ができないからといって、イヌが食べ物を味わって食べていないとは言い切れません。本当のところはイヌに聞いてみないかぎり、私たち飼い主は推測や憶測するしかないわけです。
イヌの食べ方の一般的な特徴として、とくに美味しいものはガツガツと早く食べるし、あまり噛まずに飲み込んでしまいます。また独りで食べるより仲間と食べると、たくさん食べます。
摂食行動の社会的促進です。また一度に「ため食い」することもできます。もっともこのため食いは補食獣に共通した特徴です。

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よくあるご質問04
Q04.子イヌや若イヌがよくものを噛むのは?

子イヌや若イヌがよくものを噛むのは?

子イヌや若イヌはよく家具やスリッパなど、周囲にあるものはなんでも噛んだりかじったりします。
この行動はよくイヌの歯が生える時期との関連で説明されます。実際、子イヌに乳歯が生え出す生後1ヵ月過ぎごろから永久歯が生えそろう生後6ヵ月末ごろまで、イヌの噛み活動はとてもさかんです。これは、歯が生えるときのむずがゆさや鈍痛を和らげるためだと考えられています。
しかし、この活動によって、イヌは彼らの最大の武器である咬む力、つまりアゴの力を発達させることができるのですから、行動の発達のよくできたしくみです。

噛み活動はイヌにとって生得的でとても楽しい行為であり、また格好の気晴らしともなる行動の一つです。
とはいえ、そのまま放置しておくと、この活動は間違いなく、習慣化してしまいます。こうしたイヌの噛み問題に直面すると、多くの飼い主が叱って、つまり罰を与えて、イヌにやめさせようとします。しかし、叱るだけでこの問題が解決されることは、まずありません。とくに長時間、放置されたり、閉じ込められていたりするイヌの噛み問題を罰によって解決しようとするのは、明らかに間違いであり、効果がないばかりか、イヌに対する心ない仕打ちとなってしまいます。
大事なことは、イヌの噛み活動自体がいけないのではなく、咬む対象が間違っているだけなのです。つまり、それがソファだったりスリッパだったりといった具合に。したがって、まずイヌに何を噛むとよいか、何を噛んではいけないかを教えさえすれば、イヌの噛みたいという生得的な要求を満たしつつ、この問題を簡単に解決してやることができます。

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よくあるご質問01
Q05.まず噛んでよいおもちゃはどれか、を教える。

とくに乳歯が生えて永久歯に生え変わる時期(生後2〜7ヶ月)、子イヌはさかんにものをかじりたがります。この結果、本来、彼らの唯一の武器である噛む力が必然的に発達することになるので、この噛み活動は適応的で生得的なイヌの行動の発達過程の一部です。ケージから出して部屋で遊ばせると、殆どの子イヌが何かかじるものはないか、探索するはずです。したがって、子イヌを遊ばせる時は、万一噛んだり食べられたりしたら困るものは、必ず事前に片付けておくことです。
さて、これは噛んでよいおもちゃだよ、という情報をイヌ(子イヌ)にわかるように、どう伝えると良いか。じつはこれはいたって簡単です。イヌがそのおもちゃを噛んで遊んでいるとき、「いい子だね」とよくほめてやるだけです。そしてときどきごほうびに食べものの一片を与えてもよいでしょう。
こうすれば、そのおもちゃを噛んで遊ぶという行為と、飼い主のほめ言葉やごほうびとが結びつくので、以後、さらに喜んでそのおもちゃと遊ぶようになります。
最初、子イヌが部屋で確実にそのおもちゃを噛んで遊ぶようにするためには、同じおもちゃを5個から10個、部屋にばらまいておくとよいでしょう。こうすれば、子イヌが目の前にごろごろころがっている、そのおもちゃで遊ぶ確率はきわめて高くなるので、おすすめします。 こうして最初に噛んでよいおもちゃは何かを教えておいた上で、子イヌが噛んではいけないものを噛んでいるとき、はじめて叱って良いのです。そしてすぐに噛んでよいおもちゃを目の前におき、子イヌがそれを噛みはじめたら、ほめてやります。こうすれば、何を噛んだらいけないか、何を噛んだら良いか、を子イヌに体験的に学習させることができるので、非常にわかりやすい教え方だといえます。
大事なことは、子イヌ・若イヌの噛み行動の対象を、あれもダメ、これもダメと、間違いを犯してから叱るより、まずなにを噛んでよいかを最初に教え、よい行動を強化しておく方が、イヌにとってもわかりやすく、フェアなやり方です。

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よくあるご質問01
Q06.同じおもちゃを5個、10個、用意する。

何を噛んでよいかを教えるとき、同じおもちゃを何個も用意しておくのは、とても合理的な方法です。10個も買えば、一見、金銭的には高くつきそうですが、高価な家具などをかじって傷つけられるのを防ぐためだと思えば、安い買い物だとも言えます。要は、そのおもちゃをどのように使うかです。
ふつう、おもちゃは与えっぱなしにしておくと、ほとんどのイヌが次第に飽きてしまい、遊ばなくなってしまいます。そこで、たとえば、10個の布製のおもちゃがあるとします。肉料理で残った肉汁を捨てずに小瓶に入れ、冷蔵庫や冷凍庫で保存しておきます。おもちゃで何回も遊ばせ、飽きてきたころ、保存しておいた肉汁をスポイドで数滴おもちゃにたらし、つまり香りづけしてからイヌに与えてみてください、いつものおもちゃがこれまでと全く違った新鮮なおもちゃに変身しているはずです。
肉汁は牛、豚、鶏肉ごと、または料理の種類ごとにわけておくと良いでしょう。肉汁を何種類も用意しておくと、どの肉汁を一番好むか、そのおもちゃを噛んで遊ぶ時間を計っていれば、わかります。
こうして大好きな肉汁の“香りづけおもちゃ”が数種類わかったら、こうしたおもちゃをいつ使うか(いつイヌに与えるか)が重要です。ただやみくもに与えてはいけません。たとえば、ケージの中で暫く静かにしていて欲しい時、外出時、来客時、キャリーバッグで運搬中など、イヌにおとなしくしていて欲しい時に限って与えるようにします。イヌがそのおもちゃに興味を示し、夢中になって噛んでいればいるほど、イヌは静かにしているからです。こうしたやり方は、日常生活の場面場面でどうふるまうとよいか、いちいちしつけをするより、とても簡単で効果的なおもちゃを利用したしつけ方です。
Hartzのデンタルトイズやチューデントは、わざわざこうした香り付けをしなくても、製品自体の長持ちする匂いやフレーバーによって、こうした使い方や目的にかなう最適なオモチャ・ガムといえます。

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よくあるご質問01
Q07.大事なもの(食べ物やおもちゃ)をイヌが守ろうとする。

イヌが食餌(食器)、おもちゃ、お気に入りの場所など、大事なもの(自分のものと思っている資源)を仲間から守ろうとするのは、イヌのごく自然な行動です。たとえ、相手が飼い主や家族であっても、こうした防御反応を示すことがあります。Hartzのチューデントは、くいつきがよく、ほとんどのイヌが大好きなガムなので、こうした防御対象の一つになることがあります。
そこで、イヌにヒトからチューデントを守る必要はない、と言うことを事前に教えておくと、こうした防御反応の生起を防ぐことができます。まず教え方の第一段階として、チューデントを手にもったまま、イヌにかじらせます。それから「離せ」とか「オフ(off)」と言って、それを放すよう言います。

大事なもの(食べ物やおもちゃ)をイヌが守ろうとする。

最初の一言でイヌがすぐに放さないとき、2回め以降はイヌが放すまで語気を荒げて強く言ってください。このとき、イヌが大好きなおやつをイヌの鼻先に見せてもよいでしょう。こうしてイヌがチューデントを放したら、よくほめ、おやつを見せていたら、それを与え、すぐにまた「よし」と言って、そのチューデントをかじらせます。
このプロセスを何回も繰り返すと、オフといわれてチューデントを放しても、すぐにまたチューデントをかじって遊ぶことができる、とイヌもわかってくるので、オフの命令ですぐに手放すようになります。
こうなったら、今度は手で持ったチューデントを床に置いて、同様なレッスンを何回もしてください。うまくいくようになったら、食べている最中にときどき、手を放してオフと言って下さい。これで、イヌがチューデントをすぐにはなすようになったら、この一連のレッスンはまずOKです。
こうしたレッスンを行う時は、イヌがチューデントをもって、どこかに行かないよう、イヌにリードをつけ、リードの端を足で踏んでおくと良いでしょう。飼い主のそばでチューデントを噛む習慣をつけると、いつも安心して人のすぐそばでチューデントを噛んで遊んでいられるようになります。

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